やまもり三香さんの『うるわしの宵の月』が、2026年10月23日(金)に実写映画として全国公開されます。配給は東宝で、市村琥珀を道枝駿佑さん、滝口宵を安斉星来さんが演じます。講談社の「デザート」で連載中の原作は、2026年9月11日に第11巻が出たところです。2026年1月から3月にはTVアニメも放送されていて、映画から入る人、アニメの続きを知りたい人、どちらにとっても「何巻を開けばいいか」が気になるタイミングです。各巻の公式の内容紹介をもとに、話の切れ目を巻数で整理します。
うるわしの宵の月はどんな漫画? 作品の位置づけと魅力
『ひるなかの流星』『椿町ロンリープラネット』を描いてきたやまもり三香さんが、講談社の「デザート」で始めた作品です。単行本の第1巻は2020年12月に出ています。
この作品の芯にあるのは、ヒロインの側も「王子」と呼ばれているという設定です。少女漫画では、周りから憧れられる「王子」は相手役に置かれるのが定番ですが、ここでは主人公の宵自身がその立場にいます。かっこよさを期待される側の女の子が、自分の「らしさ」と恋の両方に向き合う話なので、よくある学園恋愛ものとは視点の置き方が違います。
もう一つの読みどころは、宵と市村先輩の両方の目線で気持ちの動きが描かれることです。どちらか一方の片思いを追う作りではなく、2人がそれぞれ不器用に距離を測っている様子が交互に見えるので、すれ違いの場面でも「どちらの言い分も分かる」読み方ができます。
実写映画の公開にあわせて原作を読む利点
映画の監督は竹村謙太郎さん、脚本は徳永友一さんで、主題歌はなにわ男子の「Moonlit」です。宵のバイト先の同僚・大路拓人を水沢林太郎さんが演じるなど、原作の主な登場人物がそろっています。公開日やキャストは映画『うるわしの宵の月』公式サイトで確認できます。
公式サイトの制作ノートによると、映画は原作の名場面を取捨選択して組み立てていて、夏祭りの場面が「映画中盤のクライマックス」になっています。1本の映画に収めるために拾われなかった場面や、場面の順序が入れ替わったところもあるはずなので、映画を観たあとに原作を頭から読むと、2人の距離がどの順で縮まっていったかを細かく追い直せます。
原作は連載中で、映画が描く先の話もすでに単行本になっています。映画で2人の関係が気になった人が、そのまま続きを原作で読み進められる状態です。
原作の話はどこで区切れて、映画やアニメはどのあたりまでを描いたのか
各巻の公式の内容紹介を突き合わせると、既刊11巻は2人の関係の段階ごとに、次の5つのまとまりに分けられます。結末には触れずに位置だけを挙げます。
- 第1巻〜第2巻:宵と市村先輩が出会い、お試しで付き合い始めるまでのまとまり
- 第3巻〜第5巻:宵のバイト先に3人目の「王子」である大路くんが現れ、お試し交際の期限が迫るまとまり。第4巻で夏祭りの当日を迎え、第5巻の内容紹介で2人は正式に付き合うことになります
- 第6巻〜第7巻:正式に付き合い始めた2人の夏休みのまとまり。第6巻で仲間たちと神戸へ旅行し、第7巻では大路くんの告白をきっかけに2人がケンカをします
- 第8巻〜第9巻:文化祭で先輩が周囲に交際を明かすまとまり。第9巻で、先輩の家の事情が少しずつ見えてきます
- 第10巻〜第11巻:新学期に先輩が学校に来なくなるところから始まる、2人にとって大きな試練のまとまり。第11巻が既刊の最新刊です
映画が原作のどこまでを描くかは、公式には巻数で示されていません。ただ、公式サイトの制作ノートで取り上げられている場面のうち、もっとも先にあるのは第6巻の神戸旅行です。夏祭りが中盤のクライマックスとされていることとあわせると、映画の範囲は第6巻〜第7巻のあたりまでと見ておくのが目安になります。原作の場面を組み替えている映画なので、この見立ては前後する可能性があります。
TVアニメ(全12話)は、最終話で大路くんの告白をめぐって2人がぶつかる場面を描いていて、第7巻あたりまでを映像化したとする情報が複数の系統で一致しています。第7巻の内容紹介も告白をきっかけにしたケンカを挙げていて、この見立てと食い違いません。
まとめると、映画もアニメも第7巻のあたりまでで止まっていると見られ、第8巻の文化祭からが映像になっていない話になると考えられます。映像で観た範囲と重ならずに続きを読むなら第8巻、夏休みの出来事を原作で確かめてから進みたい人は第6巻から読むと流れがつながります。
どこから読む?
はじめて読む人と、映画を観る前に原作に触れておきたい人は第1巻です。宵が「王子」と呼ばれることにどんな思いを抱えているのかと、市村先輩との出会いがこの1冊に入っています。
出会いの段階を読み終えた人は第3巻です。大路くんが登場し、2人のお試し交際が三角関係の気配を帯びはじめるまとまりの入口で、映画中盤のクライマックスになる夏祭りへもこの先でつながります。
正式に付き合い始めたあとの2人を読みたい人は第6巻です。映画の制作ノートで名場面として挙げられている神戸旅行がこの巻に入っていて、映画やアニメで観た夏休みの出来事を原作の順で確かめられます。
映画やTVアニメの続きから読みたい人は第8巻です。文化祭で交際が周囲に明かされるまとまりの入口で、ここから先は映像では描かれていない話になる見込みです。
文化祭のまとまりまで読んだ人の再開地点は第10巻です。新学期に入って先輩の様子が変わるところから、2人にとって大きな試練が始まります。
既刊の最後まで追う終点は第11巻です。2026年9月11日に出た最新刊で、第10巻から続く試練のまとまりの只中にあたります。連載は続いているので、この先は続刊で追うことになります。
まとめ
2人の関係が段階ごとに区切れる作品なので、読む位置は巻数で決められます。はじめて読む人は第1巻、映画やTVアニメの続きなら第8巻、夏休みの出来事から確かめたいなら第6巻、既刊の最後までなら2026年9月11日発売の第11巻です。










